
1年間で雨が降らないのは、たった5日間だけ。 地面は常に濡れていて、小さな川がたくさん流れている。 人々はその上をジャンプするように移動し、大きな屋根のある建物や駅を、颯爽と行き交う。 交通手段も大きく変わった。 街中を流れるたくさんの川や池を、船のタクシーで移動している。 雨から身を守っている人々もいれば、雨用の特殊なウェアを着て、 全身で濡れることを、思いっきり楽しんでいる人々もいる。 空はどんよりしているが、以前よりも、人々は幸せに暮らしているようだ。 雨にはすっかり慣れたどころか、雨と共に暮らすための楽しみ方を身につけた。 太陽の光が差し込まない世界だからこそ、 街中には、明るい色あいや、カラフルな模様が増えた気もする。 そして、年に5日間だけの「晴れの日」がやってくると、 人々は一斉に外へと出かけ、太陽の光を全身で浴び行く。 「天日干し」ができるのも年に5日間だけなので、この時期だけの贅沢だ。 5日間が過ぎると、また新たな雨との暮らしが始まっていく。 雨の止まない世界。あなたは、どう着こなす?